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基本の食パン

はじめに

FaceBookのグループ「おうちでパン焼きを楽しむ部!(日々のパン)」で、銅板でオーブンの蓄熱を改善するという記事をみて、「これだ!」と思って試してみたくなりました。結果的に、とても綺麗な食パンが焼けるようになりました。

食パンは「リッチ系」と言われ、砂糖・バター・ミルク系の材料を添加し、ソフトな食感のパンです。
対して、フランスパンやハードパンは「リーン系」と言われ、小麦、水、塩、酵母、少々のモルトシロップのみで作ります。捏ねから発酵・焼成の手順は全く異なります。リーン系パンについては、別の記事で紹介します。

5mm厚のC1100銅板を購入(食パンでは必須ではありません)

一般的な家庭用電気オーブンは、側面から温風を吹き付ける構造になっています。パン生地が温風によって過剰に乾燥しやすいです。また下火が弱く、上火が強くなるため、パンの上部が焦げやすいです。
フランスパン等のハードパン(リーン系とも言う)だと、下火が弱すぎて上手くクープが開かないです。ハード系パンを焼く方が鉄鍋やガスオーブンを好むのは、電気オーブンのこのような特性によるものです。

そこで、蓄熱用に銅板や鉄板、大理石等をオーブンに入れて十分に予熱することで、庫内温度を安定化させ、しっかり膨らむパンが焼けるようになります。僕にとって、銅板の無いパン焼きは考えられない!!

金属の中で最も蓄熱効果が高いのは銀なのですが、流石に銀は高価すぎて現実的ではないので、C1100銅板を購入しました。
天板をしっかり計測して、内側にピッタリハマる板を発注したつもりが、、、縦と横の長さは5mm程短めに指定したのでバッチリだったんだけど、角のR指定をR10mmとしたらダメでした。R30mmにするべきでした。
たまたま持ってたグラインダーで加工し、事なきを得ましたけど。
この銅板があれば、家庭用の小さなオーブンでも温度が安定するのでパンが綺麗に焼けます。(めっちゃ高いけどね。)

銅板1

こんな感じで、天板に綺麗にハマるような銅板にしたら、取り扱いは楽です。ただし、5mm厚で3.7kgとかなり重たいです。怪我をしないよう、取り扱いには注意してください。

銅板2

基本の食パン(一斤分)の材料

  1. 強力粉(個人的には、北海道ベーカリスタの「はるゆたかストレート」がお勧め) 250g
  2. きび砂糖(素焚糖) 12g (グラニュー糖、砂糖等、好みのものでOK 調整可)
  3. お好みの塩 4.0g(0.1g単位で正確に測りましょう!)
  4. スキムミルク  6g
  5. ドライイースト(赤サフ) 3g (砂糖や生クリーム等を多めに入れる場合は「金サフ」。3gの小分けサイズが長持ちします)
  6. 無塩バター 12g (調整可)
  7. 水 160g(本捏ね用)+15g(予備発酵用) ←加水率70%です。慣れてきたら加水率を変えてみてもOK。
食パン材料

機材等

  • 食パン型(1斤 必須) テフロン型が嫌いな人はショートニングやオイルスプレーの塗布が必要。気にしない方はテフロン型が楽です。オーブンペーパーを内側に敷いてもOK。
  • 金属製のボウル、プラスチックのお椀等(必須)
  • 0.1g単位で計量できる秤(必須。国産のTANITA製等のデジタル秤がお勧めです。)
  • スケッパー(混ぜるヘラ)(必須)
  • 麺棒(必須)
  • パンこね台(大理石のものや、専用のパン捏ねシートが必要です。)
  • 霧吹き(必須)
  • 金属製ボウルを覆えるタオル(必須)
  • ケーキクーラー(脚付きの金網みたいなもの。代用品でも可)
  • オーブンと天板(必須。これから買うなら、350℃まで加熱できる東芝の丸窯オーブンがお勧めです!)
  • C1100銅板(必須ではありませんが、家庭用の電気オーブンの場合、有れば最高です!) 

作り方

ドライイーストの予備発酵(必須ではないけど、お勧め)

お椀に、カルキを含まない水15g(大さじ1杯)と、糖を小さじ0.5杯(分量外)をしっかり溶かし、ドライイースト3gも良く溶かします。
丼に40℃程度のお湯を入れ、そこにお椀を浮かべます。ラップをして15分待ちます。ふっくら膨らんできたら成功です。
予備発酵は、イーストが生きているかどうかを確認する意味もあります。また、ドライイースト独特の臭みを和らげます。

予備発酵前

予備発酵前

予備発酵後

予備発酵後。こんなに膨らみます。膨らみが悪い場合は、イースト不良です。

材料の計量(特に大事なのは、強力粉、水、塩の計量です。)

材料は、できるだけ正確に計量しましょう。その日の気温で多少水の量は調整しても構いません。特に塩は0.1g単位で計量し、容器を何度か秤の上に置き直して、正確に4.0gであるかを確認してください。(特に塩は、ひと摘みの変化で、味が劇的に変化します。)
砂糖とスキムミルクとバターは、好みの量に調整してOK。

計量

材料をスケッパーで混ぜる

強力粉、砂糖、スキムミルクを、金属製の大きめのボウルに入れ、スケッパーでよく混ぜます。(水・イースト・バター・塩は入れない)

粉類をよく混ぜたら、真ん中に凹みを作り、そこに予備発酵したイーストと水を流し込みます。(まだ塩とバターは入れない)
スケッパーで切るように混ぜます。かなりべちゃべちゃですが、大丈夫です。ある程度纏まってきたらOK。

こねる前

捏ねる(ここが一番重要で、大変です)

パン捏ね台に生地を移して、まずは利き手の掌の根元で、グーッと押し付けます。手やスケッパーで生地をまとめて、またグーッと押し付ける。これを延々繰り返します。体重をかける感じです。伸ばして、畳んで、伸ばす。ひたすら繰り返します。
グルテンが出てきたら、少しずつ生地が纏まってきます。絶対に打粉はしないでください。(生地が固くなります。)途中で手を洗うのもダメです。(加水率が変わります)
最初は、「マジか〜」と思うくらい、ベチャベチャです。気にせず、生地を引き伸ばす感じで、グルテンが出てくるまで、根気よくリズミカルに繰り返しましょう。
時々、掌やパン捏ね台にくっついた生地を、スケッパーで集めます。(最初は、手にこびりついた生地は余り気にしなくてOKです。)捏ねを8,生地掃除2ぐらいの割合で。捏ねに集中して下さい。

こねる1

グルテンがでてきたら、ベタつきがかなり減ってきます。スケッパーで生地を纏めながら、押して伸ばし、くるくると手前に巻き上げる感じです。この段階になったらあまり力は入れずに、生地の表面を張らせる感じで。

生地のベタつきが落ち着いてきたら、指先で生地を掴んで、パンこね台にかるく叩きつけ、折り畳みむ。これを繰り返します。あまり力を入れすぎず、表面を張らせる感じを常に意識してください。(力を入れすぎると、グルテンが壊れます。)

こねる2

最初は「こねあがったかな〜」と思ってから、さらに5分以上捏ねましょう。
生地がさらに滑らかになり、薄く伸びて膜になるくらいグルテンがしっかり出たらOKです。(初心者の失敗の多くは、捏ね不足です)
この頃には生地が掌やパンこね台に殆どくっつかなくなってます。

こねる3

バターと塩を加える

生地を伸ばし、バターと塩を生地の真ん中に畳み込みます。バターが馴染み滑らかになるまでしっかり捏ねます。
捏ね上がると、殆ど手に生地は付きません!(下の写真)
表面を張らせる感じに生地を丸めてから、一次発酵しましょう。
(下の写真は、生地の表面が全く張ってません。後日差し替えます。)

こね完成

一次発酵(60~90分)

気温が低い場合は、40℃くらいのお湯を溜め、そこに金属製ボールに生地を丸めて入れたものを浮かべます。またはコタツの中とか。(電子レンジの発酵モードは、温度に大きな偏りが出るので、あまりお勧めしません。オーブンは2次発酵中に予熱が必要ですし。)
夏場は30℃くらいの温かいところに置いてもOK。
サランラップや固く絞ったタオル等でボウルを覆って一次発酵をします。時間は60~90分です。3倍位に生地が膨らんだら成功です。

一次発酵1
一次発酵後

ガス抜きし、生地を正確に3等分する

まずは手にオリーブオイルやバターを少量とり、良く塗り込みましょう(分量外)。こうすることで生地が手にくっつきにくくなります。

オリーブオイル

一次発酵の生地を取り出し、しっかりガス抜きします。(食パンは、しっかりガス抜きしないと大きな気泡が残ります)

生地の重さを測定します。今回は431gでした。これを3等分します。1つが143g強ですね。1〜2gの誤差はOKです。

生地の計量1
生地の計量2

ベンチタイム(15〜20分)

3等分した生地を引っ張りながら綺麗に丸める(ころころ丸めるのではなく、生地を引っ張って底に集めて、指で摘んで閉じる感じ。)

まな板に打ち粉をし、(打ち粉は少なめにして、掌でまな板に広げる感じで。打ち粉が多いとザラザラしたパンになる)

丸めた生地を3つ並べて、濡らしてから固く絞ったタオルをかけて、15〜20分休ませる。ちょっとだけ膨らみます。

ベンチタイム

食パン形に生地を入れる(とても重要な工程です。)

まな板に薄く打ち粉をして(出来るだけ少なく)、麺棒で平たく伸ばします。ここでしっかりガスを抜きます。

成形1

まず左右からパン型の幅に合う大きさにあわせて三つ折りにします。
(下の写真は歪で、幅が狭いです。撮影しながらの作業はムズいんです。)
次に、下から上にくるくる巻いて、巻き終わったら指で摘んでしっかりくっつけます。
巻き上げるときは、優しく巻き上げましょう。キツく巻き上げると、2次発酵がうまくいきません。

成形2

丸めた生地を焼き型に並べます。テフロン加工のものならそのままでも大丈夫ですが、ショートニングを塗るか、オーブンペーパーを内側に敷くと、くっつきません!

3等分した生地を全て綺麗に丸めましょう。型に入れるときは、指で閉じた所を下にします。
下の写真では一番右が良い形です。(一番左は、幅が狭くて悪い例です。)

2次発行前

3つ並べたら、霧吹きして、ラップします。そのまま25〜30℃の室温で二次発酵します。(冬場はコタツの中が良いかも)

二次発酵(30〜60分。気温による)

しっかり二次発酵させます。(僕は初回、二次発酵不足で失敗しました。ここも初心者の失敗原因の1つ)
生地の一番高いところが蓋まで1cm以内になる迄、しっかり発酵させましょう。
下の写真は、後5〜10分ってところでしょうか。
(僕の場合は、ラップにくっつきそうなところまで発酵させてます。)

二次発酵が完了する30分前に、オーブンを200℃で予熱します。銅板を使う場合、予熱に30分以上かかります。
銅板を持ってない場合は、230℃で予熱して、焼く直前に200℃に設定しなおします。天板を2枚重ねにして蓄熱性を高めるのも良いです。
(銅板がないと、上のヒーターの熱でパンが焦げる)

予熱

焼成(200℃で28〜30分 経験で要調整)

しっかり予熱をしてから、二次発酵が完了し次第、型に蓋をして、オーブンに入れます。(僕は蓋をする前に、軽く霧吹きします。)
火傷をしないように、耐熱手袋をして作業してください。キャンプ用の牛革性の手袋がお勧めです。熱が逃げないよう、素早く作業します。
小型のオーブンでは天井ヒーターが強すぎて、上が焦げて、下が生焼けになります。
山形のパンを焼く場合、型の上にオーブンペーパーを乗せると焦げを防げます。オーブンペーパーは、庫内サイズよりも少し大き目にして下さい。(小さいと熱風で、吹き飛びます!)

焼成

焼き上がったら蓋をとり、30cm位の高さから型に入れたまま2度ほど落として、ガス抜きします。
(ガス抜きをしないと焼き縮みします。初心者が失敗する原因の一つ。)

ガス抜きしたら型からケーキクーラーにだして、ゆっくり冷まします。綺麗な焼き色になる時間と温度は経験を重ねるしかないです。

焼成3

手で触っても熱くないくらい冷めたら食べられます。パン切りナイフでカットしましょう。

焼き立て食パンは、何もつけなくても、そのままでマジ旨いです!

完成

パンの粗熱がとれたら、6等分して、ジップロック等に入れて冷凍保存しましょう。
食べるときにリベイクすると、焼き立てよりもおいしい、サクサク食パンになりますよ。

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